縄文4000年の謎に挑む 福島市【宮畑ミステリー大賞】作品集 宮畑遺跡の「巨大柱」と「焼かれた家」

福島市が開催した、市内の縄文遺跡の謎を好きなように考察し小説（漫画）化するミステリー大賞の公募作品が7作品掲載。どれも応募規定の通り中編の長さだが、それぞれが宮畑遺跡の謎に答えを出している。御都合主義の展開もあるが、どれも軽く、読み終わりも後味が悪くないので、寝る前に１作、と読んでいくとアンソロ本として楽しめると思う。（某有名な新人文学賞の最終ノミネート作作家の作品もある。）また、選考委員が佐藤B作、佐藤秀峰、清水克衛各氏と著名で各人のコメントもある。行政の取り組みとしては個性的だが、欲を言えば本の作りとして取材面が充実しているともっといいと思う。福島という原発事故のあった土地で、ポジティブな発想の企画。素人作品集ながら、１作品百円、1人の選者の講評百円、ふろくとして巻頭巻末の宮畑遺跡資料と考えれば、価格も適正。